有機ハイドライド水素自動車(1200ccエンジンで水素・ガソリン混合燃焼)
実証走行の成功

株式会社フレイン・エナジーはかねてより北海道大学市川勝名誉教授の技術協力のもと 有機ハイドライドを用いる高効率の水素貯蔵・供給装置の実用化開発と自動車用の オンボード水素供給反応器の実証テストを重ねてまいりました。

この度、㈱フレイン・エナジーはフタバ産業㈱、伊藤レーシングサービス㈱、北海道大学 市川勝名誉教授の協力で自動車排気系の廃熱を有効活用し有機ハイドライドから脱水素して エンジンへ水素を高速供給する高性能な「オンボード型脱水素反応器」を排気量1200cc ガソリンエンジンの市販車に搭載し、世界初の有機ハイドライド水素自動車の走行テストに 成功しました。

実証走行は2008年2月21日愛知県蒲郡市のスパ西浦モーターパーク・サーキット場にて実施致しました。 吸入空気に有機ハイドライドから脱水素された水素を数%混合させることで、ガソリンだけでは実現できない 濃度の希薄燃焼(リーンバーン 空燃比25以上の運転)が可能となりました。
その結果、燃費が30%向上し、二酸化炭素排出量も30%削減でき、同様にCO濃度やNOx濃度も大幅に低減しています。 2012年には自動車メーカーにとり厳しい欧州燃費規制が導入される予定ですが、有機ハイドライド水素自動車は これをクリアするための有効策となることが期待されます(新車の平均CO2排出量を現行の20%減の1km走行あたり130g以下に削減。 未達成時はCO2排出量1g超過につき最大95ユーロ:約1万5千円の制裁金)。

2007年8月30日の記者会見で小型高効率のオンボード型脱水素反応器を 排気量50ccのレーシング用カートに搭載した水素・ガソリン混焼での実証走行の発表を 行いました。今回は1200ccクラスの市販車を一部小規模に改造し、オンボード型脱水素反応器と高度な制御システムを 搭載し簡便で安全操作を可能にしました。
今夏、1500ccクラスの市販車にも対応する予定です。

この度の有機ハイドライド水素自動車の開発・評価・試作・実証テストは、 フタバ産業株式会社伊藤レーシングサービス株式会社株式会社アルミ表面技術研究所の協力により行われました。

一方、㈱フレイン・エナジーでは風力発電など再生可能エネルギーから水電気分解装置により 生成する水素を、有機ハイドライドとして高密度・高効率に貯蔵する「風力水素貯蔵システム」 の製品化を進めています。
この有機ハイドライドとして貯蔵された風力水素をタンクローリー等で既設のガソリンスタンドに輸送し、 直接、有機ハイドライド水素自動車のタンクに供給、オンボードにて水素供給することにより、 水素インフラの設備投資を大幅に軽減することに寄与できます。

今後、㈱フレイン・エナジーでは国内、海外での複数の実証プロジェクトへの参加を予定しております。

なお、この有機ハイドライド水素自動車は、2月27日-29日に東京ビッグサイトで開催される 国際水素・燃料電池展の開催期間中、㈱フレイン・エナジーのブース内にて実物展示される予定です。

補足説明

有機ハイドライドによる水素貯蔵方式は、水素を常温常圧で液体の芳香族化合物として貯蔵する方式です。 水素を貯蔵した有機ハイドライドはガソリンや灯油と同様の性状であり、ガソリンスタンドなど既存の石油系 インフラを利用し水素を大量に長期間保存することができます。

また、水素貯蔵密度が高く、タンクローリー車やケミカルタンカーなどにより1回あたりに大量の水素輸送 が可能なため、高圧水素や液体水素等に比べ供給コストも安く、安全かつ柔軟に輸送・供給できるメリットがあります。

過去のニュースリリース