有機ハイドライドを利用した水素・ガソリン バイフューエル・カー
世界初の実証走行に成功

株式会社フレイン・エナジーはかねてより北海道大学市川勝名誉教授の協力のもと 有機ハイドライドを用いる高効率の水素貯蔵・供給システムの実用化開発と実証試験を 重ねてまいりました。

この度、フタバ産業株式会社と伊藤レーシングサービス株式会社の開発・評価・試作 協力により、排気系の廃熱を有効に利用し有機ハイドライドから脱水素しながらエンジンへ 水素供給する「オンボード型脱水素反応器」を組み込んだ50CCエンジン用カート車を試作し 世界初の走行テストに成功しました。

実証走行を2007年8月10日愛知県蒲郡市のスパ西浦モーターパーク・サーキット場にて実施致しました。

2006年1月24日の記者会見で発表した 小型高効率の有機ハイドライド脱水素装置をさらにコンパクト化し、車載仕様とすることで エンジンへの高速水素供給によるカート車の走行に成功、これまでに有機ハイドライドを利用した 定置型燃料電池向け水素供給の実証実験例はありましたが、オンボード型脱水素反応器を搭載した 有機ハイドライドを用いる水素供給車両の実証走行は世界で初めてです。 また、自動車以外にも船舶、電車などの移動体への搭載が可能となり、地球にやさしい“エコハイブリッド水素カー”の実用化に弾みがつきます。

水素とガソリンの混燃により、大幅な燃費向上効果が見込め、CO2の削減に多大な貢献が期待できるものと考えます。 今回の走行に先んじて水素100%でのエンジン稼動テストも無事、終了しており、引き続き、各種データの採取や制御方法の 改良を行い、今年末に向けて小型自動車へのオンボード型脱水素反応器の搭載開発を行う予定です。

一方、㈱フレイン・エナジーでは風力発電から水電気分解装置を経由して発生する水素を、 有機ハイドライドとして高密度・高効率に貯蔵する「風力水素貯蔵システム」の製品化を 進めております。風力発電など再生可能エネルギーから製造する水素を車両に供給することで、 二酸化炭素排出量の削減に貢献することが可能となります。
水素供給面では、既設のガソリンスタンドから直接、有機ハイドライドを車両に供給し、 車上にて水素供給することが可能となり、水素インフラ面で設備投資の軽減に寄与することができます。 今後、当社では国内、海外での複数実証プロジェクトに参加を予定しております。

メリット、今後期待される点など

  1. 風力発電と水電解装置で製造する水素は、化石燃料改質型の水素に比べ、 殆ど二酸化炭素を排出しない点が大きな特徴です。有機ハイドライドを利用するオンボード型 脱水素反応器や風力水素貯蔵システムの実用化により、風力発電から製造する風力水素を 遠距離需要地の水素燃料車両や定置形燃料電池等へ大量供給が可能となります。 二酸化炭素の大幅な削減効果や、化石燃料輸入率の抑制・エネルギー自給率の向上が期待できます。
  2. 例えば、北海道や東北の30万kW相当の風力発電から年間1.4億N㎥の水素を製造し、関東圏の年間14万台強の燃料電池自動車向け燃料として供給した場合、約12万tの二酸化炭素量の削減が可能となります。
  3. 有機ハイドライド方式は水素を常温常圧で、液体の化学物質に貯蔵する方式です。水素を貯蔵した有機ハイドライドはガソリンや灯油と同様の性状であり、既存のタンクローリー車やケミカルタンカー等で輸送が可能なため、高圧水素や液体水素等に比べ供給コストも安く、柔軟に輸送・供給できるメリットがあります。
  4. 水素の利用先としては、定置向け燃料電池や燃料電池自動車などが有望でありますが、本格的普及にはもう少し時間が必要と思われます。既存のガソリンまたは都市ガス用エンジンを水素混燃用に一部改造する程度で、再生可能エネルギー由来の水素を広く活用することが可能となります。 太陽光、風力など再生可能エネルギーの利用促進につながり、かつ比較的市場投入が早く、二酸化炭素排出量の低減に即座に寄与することができます。

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